2011年03月09日

【統計の罠?】2011年2月度の企業倒産件数が5年5ヶ月ぶりに1000件を下回る

2011年(平成23年)2月度 全国企業倒産状況 | 月次 | 全国企業倒産状況 | 最新記事 | 東京商工リサーチより。

2011(平成23)年2月度の全国企業倒産件数(負債額1,000万円以上)は987件、負債総額が4,101億8,800万円となった。

倒産件数は、前年同月比9.4%減で19カ月連続で前年同月を下回った。連続減少期間としては、1971年6月から1973年4月までの23カ月連続に次ぐ過去4番目の長さ。

また月次ベースで1,000件を下回ったのは、2005年9月(987件)以来5年5カ月ぶりのこと。依然として「中小企業金融円滑化法」や「景気対応緊急保証制度」などの金融支援効果による倒産抑制が続いている。

「「中小企業金融円滑化法」や「景気対応緊急保証制度」などの金融支援効果による倒産抑制が続いている。」と書かれているけれども、本当なのでしょうか?

まず、2月度の企業倒産件数が5年5ヶ月ぶりに1000件を下回った件ですが、2月度の倒産件数は987件。

ご存知のように今年の2月の日数は28日間です。987件から28日間を割ると、2月の1日あたりの倒産件数は、35.25件。

1ヶ月を30日間と考え、35.25件に30をかけると、1057.5件。

これって、2月の日数が28日と少ないことが、月次で1000件を下回った主因ではないでしょうか。

また前月の2011年1月の倒産件数は、1041件です。1月は31日間なので、1041件から31日間を割ると、1月の1日あたりの倒産件数は、約33.6件。2月の35.25件よりも少ない数字です。1月よりも2月の方が状況が悪化していることがわかります。

単純に数字だけを見ることは危ないと思って、日々数字に接する態度がリテラシー向上につながるのかもしれません。

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2011年01月11日

アービトラージ・裁定取引(さいていとりひき)とは?幕末のマネー戦争で学ぶ

裁定取引 - Wikipediaを紐解くと

裁定取引(さいていとりひき、アービトラージ, Arbitrage)とは、金利差や価格差を利用して売買し利鞘(りざや)を稼ぐ取引のこと。サヤ取り(鞘取り)ともいう。

と書いてあります。この説明だけでは、なかなか理解しにくいと思いますので、幕末の日本で起きた裁定取引の事例をみてみましょう。(ざっくりとした解説なので、細かい事情は違う部分がありますがご容赦を…)

■ 幕末の日本国内は「銀高金安」の状態

幕末の銀貨(一分銀)と金貨(小判)の交換比率は、一分銀4枚で小判1枚というものでした。しかし、実際の貴金属としての「銀の価値」と「金の価値」を考えると、実はこの交換比率はおかしい。

小判1枚分の金と交換するには、本来なら一分銀4枚以上の銀が必要なのです。しかし、当時の日本は意外に先進的なシステムを採用していて、ある意味、管理通貨制度の国でした。

たとえば現代の「一万円札」を考えてみましょう。この「一万円札」は、物理的というか素材的に「一万円」の価値はありません。日本という国が『「一万円札」には「一万円」の価値があるんだよ。」とお墨付きを与えているので「一万円」として機能しています。(これが管理通貨制度。)

幕末の日本も、幕府が『一分銀4枚』には『小判1枚』の価値があるんだよ。」とお墨付きを与えているので、この事(交換比率)で特に経済的に混乱はありませんでした。日本国内に限って見れば…。

■ 開港して貿易解禁!いざグローバル化へ!

江戸も末期になると、鎖国が維持できなくなり、開港して諸外国との交易が本格化します。ここで問題が!

その時代に国際的に流通していた貨幣は、銀貨のメキシコドル(洋銀)でした。当時の世界の考え方の1つに「同種同量の原則」というのがあって、外国側は、メキシコドル1枚の重さは、一分銀3枚の重さなので

メキシコドル1枚 ⇔ 一分銀3

という交換比率を要求します。

一方の幕府側は、国内の貨幣は、貴金属的な価値よりも名目的に価値を与えているものなので

メキシコドル1枚 ⇔ 一分銀1

という交換比率を要求します。

結果から言うと、外国側の要求が通り、条約が締結に。(幕府側の通貨担当者は水野忠徳。このあたりの攻防は、いろいろと面白いのですが、興味のある方は「大君の通貨―幕末「円ドル」戦争 (文春文庫)」という書籍をご参照に。)

■ 脅威の錬金術!裁定取引の魔法

さて、メキシコドル1枚が一分銀3枚に両替ができるようになりました。ここで外国の商人たちは、日本国内の相場の歪みを発見します。日本国内では、一分銀4枚で小判1枚に両替できるということに…。

小判1枚を純粋に地金(素材)としてみた場合、小判1枚分の金の価値は、メキシコドル4枚分に相当します。つまり…

日本でメキシコドル4枚を一分銀12枚に両替する

日本で一分銀12枚で小判3枚に両替する

海外で小判3枚を地金として売却するとメキシコドル12枚の売上!

これを繰り返せば、お金がお金を産む!…ということで図解してみました。

20110111arbitrage.png

うーん、恐ろしい錬金術。この裁定取引によって、日本国内の莫大な量の金が流出したそうです。

幕府は交換比率の是正などの動きに出ますが、条約を盾に外圧によって、この動きは潰されます。最終的に、小判に含まれる金の含有量を減らして、この事態は沈静化に向かったのです。(国内はインフレなどで困窮する事態になりますが…。)


まぁ、現代も相場の歪みに着目する人っていますよね。痛いニュース(ノ∀`) : “わずか4台で年2億円売上” 駅前に回数券をバラで転売する自販機増殖中…JR西なすすべなし - ライブドアブログとかヤフオクウォッチ:ヤフオクでGIMP売ってる奴がいるんだがとか。

参考図書:
大君の通貨―幕末「円ドル」戦争 (文春文庫)大君の通貨―幕末「円ドル」戦争 (文春文庫)
佐藤 雅美

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2011年01月03日

グルーポンの集客動線を少し考えてみた

気ままに書いたグルーポンを利用したバードカフェのおせち事案について考えるに、はてなブックマークで少し反響があったので補足記事を書いてみます。

id:frkw2004さんの「普通のクーポンは、使わなければ単なる紙切れだけど、グルーポンの場合はすでに支払いをしてるよね。通常クーポンで反響率(=使用率)が2割だから使うのも2割というのはありえない。」に関して言えば、言葉足らずで済みません。私の憶測では、かの社長は500枚完売することがないと思い込んでいたという仮説です。「100個売りたいから、じゃあ500枚にしよう。」と逆算したのではないかと。しかしながら、実際には500枚売れてしまったというのが実状ではないかと考えています。(社長のTwitter上で「1店舗分の売上になった。次も仕掛けます。」という旨の発言もあったので、500個受注でも楽勝だろうと思いきや、いざ実行の段になって現実は厳しかったのでしょう。)

id:NOV1975さんの「実際グルーポンの集客力なのかどうか。50%オフだったら自サイトでもいけそうな。むしろ、先払いの決済の仕組みが強みかもしれない。」に関しては、ちょっとグルーポンの集客動線を考えてみました。

■ 人はグルーポンにどうやって集まるのか?

グルーポンの集客を考えて見ましょう。私の携帯電話はiPhoneで、グルーポンはiPhoneアプリをリリースしています。(私はAndroid端末は持っていませんが、Androidアプリもグルーポンはリリースしている模様。)

↓「グルーポン」iPhoneアプリのインターフェイスはこんな感じ。 2011010201.png

正月なので、大手ばかりで、あまり小規模な店舗のクーポンはありませんが、結構クーポンが売れているようです。

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東京では、エリアが1画面で表示しきれない程。

2011010205.png

私が現在住んでいる地方都市の福岡でさえ、4つのエリアに区分けされています。

グルーポンの更新は基本的にお昼の12時。たぶんグルーポン登録者で、グルーポンiPhoneアプリを入れているユーザーは、この更新時間以降、1度は「どんなクーポンがあるかな?」とチェックするのではないでしょうか。ざっと見るだけなら15秒もかかりません。

さらに、グルーポンに登録したメールアドレス宛に、「今日のクーポン情報」や、そのエリアの「人気クーポンランキング」が毎日配信されます。

2011010206.png

これだけの仕掛けを自サイトで施せるところは、数少ないと思います。規模の小さな自店舗のサイトやメルマガ登録者よりも、圧倒的にリーチする人数は桁違いでしょう。個人的な体感として、グルーポンアプリを見るまでは、全く知らないお店ばかりですから。

小さな飲食店などにとって見れば、グルーポンは、とても大きな集客装置ではないでしょうか。

ちなみにグルーポンにクーポンを提供すれば、グルーポンのサイトから自サイトへnofollow属性なしのリンクがもらえるという、ささやかな特典もあります。(提供したクーポンは、過去実績のページへアーカイブされる。)

■ 蛇足1:もしも飲食店のオーナーならば…。

思考実験と言うよりも妄想を書きます。私が飲食店のオーナーならば…。

グルーポンは、コマーシャルと割り切って活用します。(と言うより、それ以外にグルーポン利用の動機があまりない。)

お客様には、お得感のある料理コースなりを提供。そして、食事の最後に来店の感謝のあいさつと共に何らかのデザート等をプレゼントします。「グルーポンのお客様に更に特別な特典です。」と添えて。まぁ、最初からデザート提供は織り込み済みなのですけど、それを最初に提示してしまうと、サプライズにならないので…。(お客様の期待値は、最初から上げない。)

おそらくグルーポンに登録している顧客層であれば、ブログやTwitter、mixiなどの発信ツールをお持ちでしょうから「良かったらブログやTwitterで、お店の宣伝をしてくださいね。」と伝えれば、好意的な書き込みをしてくれるのではないでしょうか。返報性の原理的に。

他にも、いろいろな手段が思いつきましたが、完全に蛇足なので、ここまでにしておきます。

■ 蛇足2:はてなブックマークの集客力

今まで数年間、いくつかサイトを運営してきましたが、どれもブックマーク数10以下のコメントなし…。それが1日で数千PV。うーん、泡沫サイト管理人にとってみれば、「はてブの集客力のすごさを垣間見た」気がします。

最後までお読み頂きまして、本当にありがとうございました。何かしら参考になれば幸いです。

タグ:ビジネス
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2011年01月02日

グルーポンを利用したバードカフェのおせち事案について考える

事の発端は痛いニュース(ノ∀`) : グルーポンの割引で買ったおせち料理が酷すぎると話題に - ライブドアブログが詳しい。

関連した記事は下記の通り。

Togetter - 「飲食店トーク;商品の『原価』は、どのくらいが相場なのか?採算ベースはどこ? 寄せ物、おせちなどを例に・・・」
【ぐるなびお店のブログ】 飲食業の裏側全部見せます。: グルーポンさん
不思議物件すぎるので暇つぶしに考えてみた - G.A.W.
グルーポンまるで残飯なおせちの外食文化研究所水口社長にインタビューしてみました:ネットのお話 ブログ

グルーポンとしては、同じような事態を招かないような仕組みを構築する必要があるでしょう。自身と顧客側の保護のために。

この残念なおせちを販売してしまった社長の2005年のブログ記事師匠に学べ|日刊☆サーファー社長には、非常に良いことが書かれています。

先日、お客様から学ばせていただきました。
「”損して得取れ”がサービス業の基本と考えますが」 という、ご指摘です。
『損して得とれ』サービスの根本原理です。
『損して得とれ』が実践できていないお店は、地域から淘汰されます。
地域に必要とされるお店が、存続、発展し、地域に貢献していないお店は、
存在価値がありませんから、当然衰退し、消えていきます。 お客様に感謝し、
感謝され、共に幸せになるお店つくり繁盛つくりをビジョンにしておりますので
、今回の件につきましては、あるべき姿の反対に進んでいることで、そこを
ご指摘くださった事、学ばせていただきました事に、深く、感謝しております。

店側にとってグルーポンは、販促・集客手段の1つなので、まさに「損して得とれ」の典型です。今回の事態の理由に「処理能力以上の受注」を挙げているようですが、これは理由にならないでしょう。今回のクーポン発行の上限枚数は500枚と設定されていたのですから。最初から処理能力的に100個が限度と見積もっていたのなら、グルーポンのクーポン上限枚数は100枚に設定しないとおかしい。

推測するに、おそらく普段のチラシなり、クーポンなりの反響率が2割程度。だから500枚という数字が出てきたのではないでしょうか。

危機管理の予測の部分で大きく間違っていたと思わざるを得ません。アフターケアの対応も間違えると、特に飲食業では致命傷になるでしょう。

まぁ、個人的にこの事案から学べることには興味深いですね。この社長の心理もわからなくはないからです。人間は、売れ残りのリスクを過大に恐れて、売れ過ぎのリスクに思い至らないケースが往々にしてありそうですから。(あとグルーポンの集客力のすごさも垣間見た。)

【追記】
補足記事を書きました。
» グルーポンの集客動線を少し考えてみた

タグ:ビジネス
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